10月28日(金)日経平均考察
先物ナイトセッションは250円減(-0.92%)の27,050円で引けた。米国市場でダウが400ドル高で始まったものの194ドル高まで押し戻された。ハイテク株が多いナスダックは1%以上の下げ。現在もナスダック100ミニ先物は-3.06%である。クレディスイスが1日で19%下落をした。日経先物市場は、なかなか上値の重い展開になりそう。RSI(14+20日)も100を超えてくると上値追いが重い感じになってくる傾向が続いている。ドル円は146円23銭、米国10年債利回りも3.929%と4%台を切ってきており、前に比べたら落ち着いてきている。ここ数日のドル円・金利低下基調はどうも下記の経緯があるようだ。
ウォールストリートジャーナルのNick Timiraos記者に”FRB利上げの行方、12月のペース減速が焦点に”(10月21日4:57)の記事を書かせている。この記事にみんながポカーンとしていると、矢継ぎ早にサンフランシスコ連銀総裁デイリーに”過度な引き締めを行わないよう・・・”(10月21日9:00)という発言をしている。NickはFRBからのリーク記事を書く記者として有名である。そして、この後、金利が徐々に落ち着きはじめ、少し下落も起こりつつ、ドル売り円買いが始まった。
なぜこのようになったのか、上記の記事や発言の1週間前、10月12日のG7財務大臣・中央銀行総裁会合のやり取りが、明るみになって来た。どうも、日銀黒田総裁はじめ日本側が強烈に、欧米の急激な金利上昇政策を批判したようだ。資料なども提示し、これを続けることで米国以外の国々がどれだけダメージを受けるのかを説明し、利上げしてもよいがもう少し各国に気を配れ、そして過度なコメントを控え発表にも気を配れと申し入れたらしい。そして、この申し入れにカナダとイギリスが同調。さらにドイツも日本に同意、最終的にはECBもFRBも合意したようだ。最後に発表された声明文には”経済活動への影響や各国間の波及効果の抑制に配慮しつつ・・・金融政策の引き締めペースを適切に調整する”と文言が追加された。これらの意向をNickにリークし記事につながったと言う事だ。そして、10月22日の最初の日本側のドル売り介入が入ることになる。全部がつながっているのだ。ただ、とはいっても米国金利が高い状態には変わりはなく、すぐに円高基調に急速に動くと言う事にはならないと思うし注意を払って行きたい。日本株にとっては、中国リスクも円高に流れていったときには、ドル建て日経平均と円建てのとの差の縮小で下落していく可能性もあるので、上値が重いこともありうる。
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